人口減少社会をどう見るか | 今今と今という間に今ぞ無く 今という間に今ぞ過ぎ行く by道歌

人口減少社会をどう見るか

去年の終わりに日本が人口減少社会に突入したと報じられました


私達はこの人口減少社会に対してどのような見解を持つべきなのでしょうか


そもそも人口減少がもたらす問題とはなんなのでしょうか


以下ではそのことについて考えていきたいと思います


まず、人口現象がもたらす弊害についてですが、これは一般的に


新聞などでも報道されているように人口減少によって経済的な


問題が生じるという論点が最も重要でしょう


経済的な問題というのは理論的には人口増加率が経済成長に対して


一定の寄与を与えるということが上げられますが、現実的には


年金制度の破綻などが深刻であると考えられています


次に人口減少社会に対するアプローチについてです


自分はこの問題に対して極端に言えば二通りの姿勢が存在すると考えています


一つ目は人口減少を食い止めるべきであるとする立場


二つ目は人口減少社会に適応するという立場です


まず一つ目の立場に関してですが、現代社会において人口減少を


食い止めることは非常に難しいと考えられます


その理由ですが、人口転換論を紐解くまでもなく子供の養育費と


出生数のトレードオフの関係を想定すれば、経済発展に伴う


高学歴化など養育費の増加よって人口が減少していくことは避けらないことは


容易に想像できます


また、女性の社会進出や若者の自己実現願望などによる晩婚化など


少子化に拍車をかける要因は社会の中で非常に多くなっています


これらを解決し少子化から脱却するためには社会全体を変えていく必要があります


しかし、少子高齢化の進展速度よりも早くそれを実現することは


不可能であると考えられます


また、社会全体を少子高齢化の進捗よりも早く変えていくとなれば


女性の社会進出批判など無理や歪みが生じてしまう可能性もあります


従って二つ目の立場である人口減少社会に適応する姿勢が必要になるでしょう


人口減少社会に適応した社会システムとはすなわち年金制度を


今の賦課方式から積み立て式に変えていくことや高齢者ケアの充実化、


一人当たり生産性の向上などです


これらの社会システムの変革は人口減少を食い止めるよりは早く実現でき


少子高齢化社会に対する私達の最適反応であると考えられます


しかし、社会システムの変革の立場を取ったとしても現在の少子高齢化


の進展速度は早すぎるといわざるを得ません


従って、社会に歪みが生じない限度で少子高齢化を”遅らせる”


努力は必要であると考えられます


その努力として養育費や不妊治療に対する補助や子育て後の女性が


社会に復帰しやすいシステムの構築などが上げられます


このように少子高齢化を食い止めるのではなく遅らせることで


必要な社会システムの変革を遂行する事が重要になってきます


現在の政府は遅らせる努力と称しお金をばら撒いていますが


遅らせてシステム変革の時間稼ぎをするというビジョンを持っているのか


どうか怪しいといわざるを得ません・・・・


分析ばかり行っていて明確なスタンスが打ち出せていないように感じます