談合と耐震偽装 | 今今と今という間に今ぞ無く 今という間に今ぞ過ぎ行く by道歌

談合と耐震偽装

はじめに報告を・・・・とりあえず国一経済職の一次に受かりました!

自己採点的には結構余裕だったんですが、マークミスとか怖かったんで

とりあえず一安心という感じですね

でも今年は去年よりも4点も合格最低点が上がったっぽいんで

ちょっと微妙な気もしますが・・・・

さて、報告は以上にして、今日はちょっとネタが古くなりましたが

官製談合と耐震偽装問題に見られる市場における両極端な

ケースについて考えてみたいと思います

官製談合は官と民が癒着して非効率な事業発注が起こることで、

官の非効率性の代表のように指摘されてきました

ここで、同じように指摘しても面白くないので、談合の合理性に

ついて考えてみます

問題意識は以前田原総一郎の講演を聞いたことにさかのぼるのですが

談合がなぜ起こるのかということに焦点をあわせてみると見えてくる

談合の合理性という問題があります

ここでは談合がなぜ合理的かを考えます

官が事業を発注する際には綿密な事業計画の提出を民側に

要求しています

ここで、綿密な事業計画を作るには計画やら見積もりやらでかなりの

手間とコストがかかります

そのため、完全な競争入札によって事業が発注された場合、

民間側は勝ち取れるかもわからない非常に高いリスクを背負って

計画や見積もりを出すことになります

これは経済的に見て期待利潤がマイナスになってしまう可能性が

高いので民間業者は競争入札市場から撤退することになります

そうなれば、競争入札による事業の発注事態が成り立たなくなってしまいます

もし、法律などで無理に競争入札に参加させれば期待利潤をプラスにするように

行動するしかなくなるので、結果的に安全性にかかわる部分で

コストを削減することになる場合も起こってくることになるでしょう

これは、市場でのコスト削減を追求したがために起こってしまった

耐震偽装問題と本質的なところで同じ原理であると思われます

つまり、官製談合の合理性とはコスト削減追及による安全性の欠落

を生み出す可能性の高い競争原理を排除することで、多少のコスト

増になっても安全性の確保ができる少数の事業者に継続的に

事業を発注するほうがトータルで見たときに合理的であるということになります

つまり、官製談合と耐震偽装は市場のあり方として両極端な

ケースであるということができるでしょう

官製談合は安全性確保のために市場原理を排除したケース

耐震偽装問題は市場原理の中で起こった過当競争による安全性欠如のケース

これらはどちらも損失を生み出しています

談合ではコスト増、耐震偽装では安全性の欠如です

どうすればこのような損失を生み出さずに効率的で合理的な

事業発注ができるようになるのでしょうか?

これは非常に難しい問題であるといわざるを得ません

本来的に望ましい形として自分は競争入札ではなく、談合型で

官民双方に高いモラルが存在することが望ましいのではないかと

考えています

つまり、競争入札における事業計画のコストを本質的に改善することは

無理であと考えられますが、談合型の事業発注において

官民双方に高いモラルを求めることはきちんとした法整備と国民の監視に

よって達成することが不可能ではないのです

以上のことから談合そのものを否定し、無理な競争入札制度によって

過当競争や安全性の欠如を生み出すくらいであれば、談合を

認めたうえで、いかにその非効率性を排除していくかに焦点を合わせるべき

であるという結論が得られます

官民が癒着し自己の利益を追求するための談合であればもってのほかですが

真に国民の安全性を考えたが故のクリーンな談合であれば

あえて否定することも無く、むしろその方がいい場合すらあるということを

当事者たちは真摯に訴え、信頼されるような制度を作っていくことが

望ましい形だといえるでしょう

難しい問題ですが、談合という市場排除と耐震偽装という過当競争の

両極端な事例が起こったことでよく考えてみるのにはちょうど良い

時期なのかもしれませんね