事前規制型から事後ルール型へ | 今今と今という間に今ぞ無く 今という間に今ぞ過ぎ行く by道歌

事前規制型から事後ルール型へ

最近、いろいろなところでモラルが問われるような事件がおきています

たとえば、ライブドア事件や耐震偽装問題などです

これらは小泉政権が市場原理を追及したためであると批判されています

このような問題に対して中央公論に面白い見方がありましたので

それについて考えてみたいと思います

考えると今までの行政は、悪いことが起こらないように

事前に規制していましたが、規制緩和の流れの中で、行政による

事前の規制を撤廃していくようにと叫ばれるようになりました

これは逆に言えば、悪い事態が起きないようにする”たが”をはずせと

行政に要求していることに相違ないので、見方によっては今回のような

モラルが問われるような事件が起こること自体が、規制緩和が進んでいる

証拠であるとも考えられます

規制を緩和し、小さな政府を目指すということとなにも問題が起こらない

市場やら社会やらの樹立とはトレードオフの関係にあるといえるでしょう

そうであるならば、民主党が言うように小さな政府も目指して、さらに

市場の統制をきちんととっていくようにしろって言うのは無理な話です

今後、小さな政府、規制緩和を目指すのであれば、更なる事件が起こる

可能性が高くなるのは仕方の無いことなのかもしれません

現在の国民が望み、政府が目指している社会は事前規制型ではなく

事後ルール化型であるといえます

何か起こったらルールをしっかりと整備する・・・悪く言えば後追い方式です

資本主義そのものがルールの抜け目やルールの未整備な部分から

利益を吸い上げる性格がある以上、資本主義の効率性の裏には

モラルの無い悪者も出ますし、そういった人たちがむしろ資本主義の

本質的な進歩をもたらしているともいえます

開拓者は間違えれば犯罪者になりうるのですから・・・・

ここ数年で国民は行政や、社会に対して効率化を迫ってきました

効率化し、政府を小さくするからには事前の規制は撤廃しなければなりません

事前に規制されていない以上悪いやつが出てくるのは必然です

悪いやつが出たときに初めてきちんとしたルールを整備するのが

これからの行政のあり方になるといえるでしょう

小さな政府、きちんとしたモニタリング、先回りした規制・・・・これらは

同時には達成できません

われわれ国民は市場主義の蔓延でいやな世の中になったと嘆きますが

それこそが私たちの要求した社会であることも否めないのです

今後は、小さな政府や規制緩和と、事前規制による規律のバランスをどう取るかを

検討していく必要があるでしょう

現在その過渡期にあり、将来の社会のあり方を根本から検討する時期にあるのです

ルールによる行政はルールの隙間を事前に取り締まることはできません

事前規制の行政では機会の均等やチャンスを生かすことができないかもしれません

一長一短ですが、今、日本は確実に前者への道を歩みだしています

もし、効率化や小さな政府を目指せと主張したが、負の部分を見て、気が変わるので

あれば今が最終コーナーであるかもしれません

ちょうど、9月には新しい自民党の総裁選挙があり、この国の方向を議論する

土壌が整っています

活発な議論を期待したいですね