王子製紙と三菱商事による北越製紙に対するM&A
ここ数日で話題になっている、北越製紙を巡る
M&Aの動きについて考えてみたいと思います
まず、なぜ北越製紙なのでしょうか?
北越製紙は他の製紙会社に比べて技術に
優れていると言われています
ここのところの原油高で製紙会社はどこも
営業不振に陥っているため、競争力強化を
計りたいと考えているのです
これに関して王子製紙はその魂胆がはっきり
していますが、三菱商事に関しては
おそらく傘下の三菱製紙の強化を考えているのでしょう
そんなわけで、お互いに引けない状態であるといえます
しかし、三菱商事と王子製紙はあるプロジェクトでは
共同出資をするといった側面もみられ
対立が決定的になることは両者にとっても良いことでは
ありません
この膠着状態が続くことは三者にとって良い状態では
ない上に、マーケットにとっても動きが読めず
混乱を生じる原因になります
できる限り早い決着が望まれます
ところで、近年のM&Aというと外資系ファンドや
ライブドアなどといった、いわゆる投資ファンド的な
活動を中心にしている人たちが主な担い手でした
しかし、今回の動きではいわゆるファンドではない
一般企業がその担い手となっていることに特徴があります
すなわち、伝統的な企業活動を中心にしている
企業にまでM&Aの動きが浸透してきたのです
これは非常に重要な動きで、近年、企業体質が
強化されてきた結果、企業が攻めの投資活動を
始めることができるようになったと言うことです
つまり、競争力強化の動きが本格化してきているのです
これからは、伝統的な企業同士でのこういった動きが
活発化していくかもしれません
投資家はこうした動きを注視していかなければなりませんね