環境保護の難しさ | 今今と今という間に今ぞ無く 今という間に今ぞ過ぎ行く by道歌

環境保護の難しさ

最近、環境省に内々定をもらった仲間と


環境問題解決に向けた取り組みを話す機会がありました


既に、多くの人が知っている通り、さし当たって


京都議定書の基準をクリアしなければならないのですが


これはおそらく排出権買取などで無理矢理達成


させることになるでしょう


しかし、根本的な環境保護を考えていくならば


産業界や家庭がどれだけ省エネに取り組むことができるかが


キーになると思われます


今回、友人と話していたのは産業界についてでしたが


環境省の環境経済に対する考え方は


「環境破壊が進んでしまってからそれを元に戻すために被る


経済的損失は、環境保護を進めることによる経済的損失よりも


本質的に大きくなるため、現在の経済的損失を被ってでも


環境保護を進めることが望ましい」


となります


確かに、言っていることは真っ当なことだと思いますが


ここで問題となるのが、「現在の経済的損失を被ってでも」


と、言う部分です


と、言うのは、例えば日本の企業のほとんどを占める


中小企業では、不渡りを出さないために日々追い立てられるような


活動を強いられていることが多く、そう言った企業に対して


現在の経済的損失を被ってでも将来の環境経済を・・・と説明


しても、明らかに反発を招くだけで、実効性に乏しい


理論となってしまうのです


すなわち、正しい理論であっても現場にそぐわない理論で国が


国民を誘導しようとしても、なかなか現実味を帯びないのです


資本主義社会が経済的インセンティブに基づいて行動を決める


社会であるならば、外部不経済に対しても経済的に無理のない


方法で対処していくしかないのでしょう


そんな話をしながら友人と酒を飲んでたのですが


このような議論は環境省と経済産業省の間で日々


繰り返されている様です


一つの問題を捉えてみても色々な考え方があり、どれも一長一短で


あることが少なくありません


どこに落としどころを持って行くのかを決める作業というのが


役人の実質的な仕事なのかもしれませんね


環境問題に関してはさらに色々な議論がありそうですが、


今日はこの辺で・・・・